知っておくといい行動経済心理学

「経済学」という言葉が入ると「難しい!」と感じてしまいがちです。しかし、行動経済学は人間の行動に即した学問なので、他の経済学よりも理解しやすいのではないでしょうか。人間の行動を科学した行動経済学についてまとめました。

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行動経済学に関するまとめ

行動経済学とは

行動経済学とは、これまでの古典的な経済学がモデルとしていた人間(※経済人、ホモ・エコノミクスとも言われる)を前提とした経済学ではなく、生身の人間を対象とし、人間がどのような状況下で、どのように選択・行動し、その結果どうなるかを究明することを目的とした新しく実践的な経済学なんです。

もともと経済学とは「経済活動」についての学問であり、人間の行動については考慮していませんでしたが、「人間の行動そのものが経済活動に影響を与える」との考えから、人間の行動や選択を研究し、それらがどのような結果となるか、という点に的を絞った研究として「行動経済学」が生まれました。

フレーミング効果


ある伝染病に1,000人の人間が感染した。放置すると全員が死亡する。対策案としてA案とB案が提示された。

Question1
A案による場合、300人が助かる。
B案による場合、70%の確率で全員が死亡する。

Question2
A案による場合、700人が死亡する。
B案による場合、30%の確率で全員が助かる。

Question1もQuestion2も表現方法が異なるだけで同じことを言っている。しかし、多くの人はQuestion1ではA案を選択し、Question2では、B案を選択した。

物事を選択する際に、その人独自の主観が入ってしまうために異なった判断をしてしまう場合があります。このように、選択者の心の状態によって意思決定が異なることを「フレーミング効果」と呼びます。

プロスペクト理論


A)ある投資により、100万円既に儲かっている。このまま投資を継続すれば、80%の確率で儲けは130万円になるが、20%の確率でゼロになる。
B)ある投資により、100万円既に損している。このまま投資を継続すれば、80%の確率で損は130万円になるが、20%の確率でゼロになる。

期待値から計算すると、Aの場合は投資を継続し、Bの場合は投資を継続しない(損を確定させる)方が好ましい。しかし、多くの人は、Aの場合には、投資を継続せず(利益を確定させる)、Bの場合には投資を継続するという判断を行う。

人間は儲かっているときは、損を出さないためにリスクを回避しますが、逆に損をしているときは、損を取り返すためにリスクを取ろうとする傾向にあります。その基準値は人それぞれとなりますが、その人の設定した基準値によって、判断に影響が出ることをプロスペクト理論と呼んでいます。

コンコルド効果

コンコルド効果は、心理現象の一つ。超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。コンコルドの誤り、コンコルド錯誤(コンコルドさくご)ともいう。

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す。

損をするとわかっていても、今までお金や時間をつぎ込んだことがもったいないために、その投資を止められない状態が「コンコルド効果」です。なお、この状況になるのは、ほとんどが大人であるとされます。

選択回避

ショッピングモールで自転車を買おうとした際、7種類の自転車を取り揃えているショップAと、20種類の自転車を取り揃えているショップBでは、どちらの方が売り上げが良いだろうか?又、お客さんとしては、どちらのお店で買い物をした方が満足度の高い買い物ができるだろうか?

実験によれば、購入率はショップAの方が約10倍高く、買い物後の顧客の満足度合いもショップAの方が高かった。

ショップの側としては「多くの種類を品揃えした方がお客様のために良い」と考えて、多くを品揃えします。しかし、種類の少ない店の方が売上は高くなる傾向にあります。顧客にとっては、種類の多い店では選ぶのに時間がかかり、また、「あの種類の商品にすれば良かった」と考え、満足度が下がりやすくなるためです。

コミットメント

<街で見かけるコミットメント>
家電量販店「他店より高かったら値引き」
スーパー「生鮮食品の鮮度に満足できなければ返金します」

コミットメントとは、目標を達成するために、あらかじめ行動を約束しておくことを指します。「ダイエットで5kg減量する」ということもコミットメントですが、経済の場においても、コミットメントが見られます。

現在思考バイアス

研究者は、子どもたちをマシュマロが置いてある部屋に入れ、自分たちが戻ってくるまでマシュマロを食べなければ、マシュマロを2個あげると告げて部屋を出ました。どうなったと思いますか?

ほとんどの子どもが、マシュマロを食べてしまったのです。どうやら人間には、まだ先にもっと良いことが待っていると分かっていても、目の前の利益を選択してしまう傾向があるようです。

人間は、将来の収入が約束されていたとしても、「今すぐに欲しい」と考えがちです。楽しみは後にとっておくよりも今楽しむべき、という考え方を「現在思考バイアス」といいます。貯金が苦手なのは「現在思考バイアス」によるものです。

現状維持バイアス

例えば、これまでずっとひとつの投資信託だけで401(k)(確定拠出年金)を運用してきた人は、ほかにもっと好条件の投資信託があったとしても、年金を別の投資信託に移すのに抵抗を感じるでしょう。

「ストレスとはすなわち、私たちが適応しなければならないあらゆる種類の変化そのものなのです」と、クロンツ博士は述べています。

出典:お金についての判断を誤る6つの心理学的な罠 | ライフハッカー[日本版]

人間は変化を苦手とする人が多いです。銀行の定期預金は、ネット銀行ほど金利が高い、とはいえ、ネット銀行の口座を作ろうとする人は少ないものです。変化が苦手であるがために、現状で十分、と考える人は多いです。

経済は人間の行動によって形作られる

経済学とは難しそうなイメージが先行しますが、経済は人間の行動によって形作られていく、という側面を持っています。そのため、経済学を研究するにあたっては、人間の心理や行動を理解することも必要で、その研究結果をもとに、今まで以上に経済効果を高めることが可能となります。

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