経済の初歩に学ぶケインズ政策の理論

経済政策に「ケインズ政策」があります。経済政策の名称を聞くと難しそうなイメージがありますが、ケインズ政策は、景気を刺激する方法として現在も用いられています。ケインズ政策の具体的な内容についてまとめました。

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ケインズ政策に関する内容まとめ

ケインズ政策とは

ケインズ政策とは、不況対策やインフレ克服などの経済の調整に政府が積極的に関与する、というケインズが提唱する政策のことをいいます。ケインズ政策は、私たちの健康法にたとえると、「体調が悪いときには、薬を飲めばよい」というのに似ています。

経済調整に政府が関与することが、ケインズ政策のポイントといえます。公共事業を行うことで景気の拡大を図る政策がケインズ政策の一つです。

セイの法則

セイの法則とは、「生産物はすべて売れる」という理論のことで、販路法則ともいいます。価格メカニズムが働く市場では生産物をすべて売ることができるので、生産物がどれだけ売れるかは供給の大きさで決まります。セイの法則は、「供給はそれに等しい需要を作りだす」という供給重視モデルを説明する理論です。

生産物は全て売れる、という考えが元となっています。需要を高めたい場合は、価格を下げるか供給を増やせば良い、という考えで、市場の原理に任せる考え方といえます。

市場に任せると需要が不足

1929年に始まった世界大恐慌後、世界中の工業国が長く深刻な不況に悩まされていました。「資本主義経済は市場メカニズムにまかせた場合に総需要が不足することがあり、放っておくと、大量の失業が出たままになってしまう」と説いたのがイギリスのジョン・メイナード・ケインズでした。

セイの法則では「生産物は全て売れる」という考えでしたが、世界大恐慌において人々の収入が少なくなると、必ずしも生産物は全て売れるとは限らない、という状況になりました。需要を掘り起こす必要があると、ケインズは考えます。

積極的な財政政策

ケインズの展開した理論は、積極的な政府政策が経済運営に有効であることを示している。政府財政の不均衡を悪と見るのでなく、ケインズは反循環的(景気循環対抗的)財政政策と呼ばれるものを提唱した。それは、景気循環の良し悪しに対抗する政策である。

すなわち、国内経済が景気後退に苦しんでいるとき、あるいは景気回復が大幅に遅れているとき、あるいは失業率が長期にわたり高いときには、赤字財政支出を断行し、好景気のときには増税や政府支出を切り詰めるなどしてインフレーションを押さえ込むという政策である。

ケインズ政策の特徴は積極的に経済に関与することであり、景気が悪化しているときは、たとえ赤字になっても財政支出を実施して景気を刺激する政策をとります。逆に好景気の時は、増税などで景気の過熱を抑えます。

乗数効果

企業や政府がインフラ事業などの公共投資を増やす、国民所得が増加、消費が増える、さらに国民所得が増加、さらに消費が増える。

政府が一時的に財政支出を増加させることによって、民間の消費活動を刺激することを、誘い水理論(スペンディングポリシー)といいます。

一度需要を作ってしまえば、所得が増えて消費が伸び、さらに所得が増えて消費が伸びる、というように、かけ算のごとく経済効果が期待できる、という考え方です。

公共事業の実施

ケインズは、経済が不完全均衡による「供給能力の余剰」という不況に陥ってしまった場合、政府が公共事業を執り行うことによって、その不況から脱出できる、と論じている。

その原理は簡単だ。つまり、「需要不足」によって、意欲も能力もあるのに失業している労働者がいて、遊休している設備や機械があるなら、政府がそれらの生み出すことの可能な生産物の使い手になればいい、ということなのである。

公共事業を実施することによって、新たな仕事を生み出し、それによって、人々の収入が増加するので、購買力が増加し景気が回復する、という流れです。需要が伸び悩んだ場合には、政府が需要を作り出す、という発想です。

ケインズ政策の矛盾

各国はケインジアン政策で景気を良くしようと財政拡大をしますが失業はあまり減らず、インフレがひどくなり財政赤字が拡大してしまいます。人々の意表をついてやったらしばらくは効果があるかもしれないが、人々がその結果として生じるインフレを想定するようになってしまえば効果がなくなる。

アメリカのレーガン大統領、イギリスのサッチャー首相、日本の中曽根首相などが規制緩和や民営化、財政削減などを進めました。

ケインズ政策は、公共事業を増やして景気の拡大を図る、という政策です。しかし、需要が増えてインフレになるものの、失業があまり減らずに景気の回復が進まなかったことから、不景気なのにインフレとなる「スタグフレーション」が発生しました。また、政府支出が増えすぎ、財政赤字の原因にもなりました。

経済をコントロールしようとするのが「ケインズ政策」

経済の古典的な考え方では、「経済は市場原理に任せる」というものでしたが、ケインズは、「経済は政府が積極的に介入するべき」と、経済をコントロールする考えをとりました。経済政策は各種ありますが、「どれが正しい」というものではなく、そのときの経済状況に応じて使い分けがされています。

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